乗鞍岳周辺 日影沢(1972.1m) 2011年4月2日

所要時間 6:00除雪終点−−6:16 ゲート−−6:34 尾根に取り付く−−8:11 日影沢 8:47−−9:30 標高1650m−−9:56 林道−−9:59 除雪終点

概要
 日和田集落から日和田川沿いの林道を歩いて往路は1360m付近から尾根に取り付く。これはDJF氏が使った尾根と同じ。今年は残雪が多くDJFが登った時期より1ヶ月遅いが積雪はそれ以上で車が使えたのは集落内のみで、その先は残雪で車は進入不能。ただし、尾根は最初から最後まで雪で覆われ、しかも締まった部分が多くて笹皆無で快適に歩けた。時折樹林が開けて木曾御岳が見られた。山頂付近は豊富な積雪で雪庇も発達していた。山頂は樹林少なく展望良好で乗鞍岳はもちろん、穂高岳も見えた。下りは1856m,1646m標高点を経由する南西尾根を使った。ここも残雪豊富で笹との格闘は皆無だった


 今年も4月に入って本格的な残雪シーズンが開幕だ。本来なら新潟方面を攻めたいと考えていたのだが、この週末は北日本を寒冷前線が通過し冬型の予報で、新潟は雪の予報が出ていた。重い新雪のラッセルは2週間前に堪能したのでもう少し楽ができる場所を探した。南や西ほど前線の影響を受けにくく、乗鞍岳南東側の鎌ヶ峰周辺の未踏峰の日影沢を思いついた。ここは標高1900mを越えているので前々から考えていた山だがアプローチが高速から遠くて睡眠時間が短くなるのがイヤで後回しにしていた。地図を見ると岐阜県側の日和田集落から延びる林道を利用するのが最短ルートでありDJFもそこを登っている。野麦峠が使えれば車の距離を短縮できるのだが今の時期は未開通なので開田村経由で向かうことになる。

除雪終点 除雪終点から見た林道

 中央道に乗って辰野PAで寝て当日早朝に日和田に向かうのが金を節約するためには必要だが、辰野から2時間以上運転する必要があり、現地に到着したら眠気が出ているのこと確実であること、高速のPAは仮眠する大型車のアイドリングで騒音がひどく快眠できないことを考慮して金はかかっても登山口まで走行することにして諏訪南ICで降りて一般道をひた走る。杖突峠周辺は少し雪が残るが路面は問題なし。権兵衛トンネルで木曾に抜け、国道19号→361号と入って長峰峠を越えると残雪が豊富で、これなら薮漕ぎの心配は無いと安心する。日和田集落入口はすぐに分かって右折、あとは道なりに直進し集落が終わってダートになると除雪が終わって古い残雪が路面上を覆っていた。DJFの時は20cmほどの新雪でゲートまで車で入れたそうだが今は無理で、残土置き場のような広場で仮眠した。外は満天の星空だった。

ゲート。DJFはここまで入れたが今は積雪で不可能 古いトレール。上を踏んでも沈む

 翌朝、5時に起床して朝飯を食い6時前に出発。雪質は不明なのでスノーシューを背負う。林道上にはつぼ足の足跡が残っており足首くらいまで潜っているが今はほとんど沈まない、というか足跡の上を選んで歩けば全く沈まない。まさか鎌ヶ峰への登山者だったりして? 地形図に無い林道が左に分岐するがそこを直進、まだ足跡が続く。ゲートが近づくと足跡は左上の薪が積まれた場所に上がっていてこの先はトレースは無いかと思ったら、雪に埋もれた古いトレースがまだ続いていた(これは踏むと沈んだ)。ゲート付近は残雪に埋もれていたがゲートは開いていた。

右岸に渡り返す 造林小屋。ここで尾根に取り付く
尾根 尾根上は檜植林でかなり急

 日和田川右岸に林道が移って造林小屋が現れた付近で左の尾根に取り付きスノーシュー装着。南斜面気味なので雪があるか心配だったが最初から残雪に覆われ、桧植林と自然林の境界の尾根上も薄いながら雪が付いていた。結構いい傾斜でスノーシューのヒールリフタを上げて快調に高度を上げる。この傾斜だと雪が締まっていないと足元が崩れてスノーシューでもずり落ちながらとなるが、雪の状態は良好で私の体重を支えてくれスノーシューの歯が良く効く。ピッケルもあるので階段状の雪も強引に乗り越える。DJFが掻き分けた笹は全て雪の下で快調そのものだし、アイスバーンも皆無だった。まあ、こちらは最初から尾根をトレースしており北側斜面の状況は分からないが。

積雪は多くないがずっと続いている 傾斜が緩みシラビソが目立ち始める
木曾御嶽 鎌ヶ峰?

 1550mを越えると一旦傾斜が緩み、シラビソが目立ち始めて標高が高い山らしくなってきた。まだ積雪量は数10cm程度で少ないが笹を覆い隠すには充分な量だ。ただ、木の根元に見えている地面を見るとこの付近は笹はさほど濃くないようだ。1650m上部のゲジゲジ帯はDJFの記録にあるように崖や露岩は見られず、ただ単に傾斜がそこそこきつい広い尾根が続くだけで危険箇所はなかった。

緩やかな尾根を行く シラビソ樹林
カモシカや小動物の足跡が多い やっと日影沢山頂が見えた

 標高1700を越えると傾斜が緩み、背の高いシラビソが繁茂する尾根を登り続ける。シラビソの間隔は広く風景は気持ちいいのだが、背が高くて日陰になる範囲が広く、日当たりの悪い場所は軒並み雪の締りが悪く、場所によってはスノーシューでも足首まで潜る。これが軽い新雪なら蹴散らしながら楽に歩けるのだが、今の雪は重いし1歩踏み出して体重をかけるとズボっと潜るので体力を使う。まあ、2週間前の六軒山よりはずっとマシであるが。できるだけ日当たりのいい場所を選んでコース取りした。

 標高が1850mを越えるとシラビソの間隔が徐々に開くようになって周囲の展望が楽しめる時間帯が長くなってきた。振り返れば真っ白な木曾御岳がでかい。でもあそこは全山登頂済みなので残雪期はもう行かないかな。夏場の避暑にはいいかもしれないけど。鎌ヶ峰から南下する尾根上のピーク群も見えている。そして霞んでしまっているが中央アルプスも見えていた。左手には日影沢と思しきピークが見えている。シラビソ樹林中かと思ったら雪庇のような雪で真っ白な明瞭な高まりが見えていた。あれなら展望はばっちり楽しめそうだ。

尾根が左に曲がって明るい尾根を北上 霞んだ中央アルプス
日影沢と鎌ヶ峰

立ち枯れしたシラビソ 見上げてみたところ

 標高1890mで尾根は自然に左に屈曲、シラビソとうねった雪庇で高山らしさ満点だ。東にも展望が開け鎌ヶ峰も見える。ここからだと1時間強くらいだろうか。小さなピーク群をいくつか乗り越えて最後の鞍部から登り上げて山頂から西に派生する尾根と合流した。ここには立ち枯れした立派なシラビソが立っておりいい目印になっている。そういえば登ってきた尾根では目印は全く見られなかった、正確には気づかなかったというべきかも。

山頂への最後の登り 日影沢山頂
日影沢山頂から見た鎌ヶ峰 DJFのリボンの残骸と思われるもの
日影沢山頂から見た槍穂から蝶ヶ岳(クリックで拡大)
日影沢山頂から見た中ア〜木曾御嶽(クリックで拡大)

 広く緩やかな稜線を登りきった雪庇の最高点が日影沢山頂だった。雪庇の高さは不明だが2,3mはあるだろうから三角点を探すのは不可能、航空測量用目印も見当たらなかった。付けられたはずのDJFのピンクリボンも行方不明で、まさか雪の下かと思ったら細い潅木に結び目だけ残っているのを発見した。その他には人工物は一切見られなかった。もちろんトレースも皆無。この週末にやってくる人もいないだろう。雪庇上なので展望は良好で、木曾御岳、乗鞍岳はもちろん、雪を纏った穂高連峰も見えていた。昨年秋は楽しませてもらったなぁ。それより奥の北アは雪雲の中らしかった。雪庇の南側に下って風を避けて少々休憩。雪質がよかったので思ったより体力を消耗せずに済んだ。

 下りのルートであるが、林道歩きは飽きたので別の尾根を使って集落近くまで下ることを考えた。山頂から西に下り、その後南西に進路を変える尾根なら集落終点付近にピタリと着地できるのでこれがいいだろう。地形図を見ても危険箇所はなさそうだ。標高1700〜1750m付近のコンタが混んでいるが、いざとなればアイゼンがあるので大丈夫だろう。

西尾根に入る 1840m峰
日影沢を振り返る 高度が下がるとシラビソが減ってくる

 大きな枯れたシラビソで登りのトレースと分かれて西尾根に入る。ここもシラビソが中心で日当たりが悪いところはボッカボッカのラッセルとなり、1856m峰への登り返しはちょっとだけ苦労した。足が下りモードに入ってしまうとちょっとの登りでも苦しいのであった。1840mピーク群もシラビソで日当たりが悪くて雪の締まりが悪く、僅かな登り返しが鬱陶しい。ようやく下りが連続するようになって一安心。

笹が出ていたのはここだけ 写真では分かりにくいが急傾斜区間

 標高1790m肩から先の下りは地形図を見ると尾根が痩せて傾斜がきつく心配だったが、尾根はさほど痩せておらず傾斜はきついものの樹林が茂っているのでスノーシューを履いたままでも木に掴まって容易に下ることができた。

標高が落ちるとミズナラ等の落葉樹林 そろそろ尾根末端。赤松樹林

 これを過ぎれば穏やかな尾根が続くようになり、シラビソが減って明るい落葉樹林が中心となり雪が締まって快適に進めるようになった。積雪は徐々に減ってきたがまだ地面を覆っており、もうスノーシューを使う必要は無いが脱ぐのが面倒なので履いたまま雪の上を選んで下っていく。

林道が見えた 開けた平地に出た
地図にない林道 日和田川沿いの林道に到着

 標高1400mで尾根は左にカーブし、やや灌木が増えた感があるがさほど邪魔にならずグングン下っていくと樹林が開けて明るい場所に飛び出した。右手から地図にない林道が降りてきており、これは往路で見た林道の続きだろうからこれを辿ってもいいのだが、まだ周囲の地面の大半が雪に覆われているので、集落の方向にショートカットして杉の植林を下って林道に出た。もう車が見える場所で帰りはほとんど林道歩きをせずに済んだ。今のように雪が多い時期はこちらの尾根から登ってDJFの歩いた尾根を下り、林道を下る方がいいかもっしれない。


 この文章は開田村に止めた車内でラジオを聴きながら打ち込んでいるが、東日本大震災の余震と思われる地震が関東地方で発生、茨城南部で震度5弱(鉾田市)だそうだ。今回の震災後の余震はしつこく、ほぼ毎日体感地震が続き東京でも震度3程度の揺れが毎日のようにある。いつになったら落ち着くのやら。余震だけでなくスーパーの商品にも影響が続き、牛乳やヨーグルト、それに納豆が店頭から消えて久しい。

 

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